-便秘の予防
食物繊維は、ちょうどスポンジのような形態をしています。消化されずに最後まで腸の中に残っていて、スポンジが水を吸うように余計な水分や他の老廃物を吸収するので、便の容積が増し、適度のやわらかさと重さを維持することができます。この重さによって直腸が刺激され'便意'をもよおします。便秘を防止するためには毎日適度に食物繊維を摂取するようつとめることです。
-便秘のメカニズム
消化吸収の良いもの、つまり食物繊維があまり含まれていないものばかり食べていると、吸収され尽くしてしまい、大腸に届く「残りカス」はごくごく少量となるので'便意'がおきにくく、便秘を引き起こします。さらに、腸はこれらの少量のカスからも水分を吸収しようとつとめるので、最後にはカチカチになってしまい、無理に排泄しようとすると直腸の粘膜を傷つけ、痛かったり出血したりするので排便することが怖くなり、便秘を繰り返すといった悪循環におちいってしまいます。便秘をしていると吸収されなかったタンパク質が腸内細菌によって分解されて発生する腐敗物質が腸内に長期間停滞することになります。腐敗物質の多くは有毒で、腸内に停滞すればするだけその毒素が体内に吸収され、血液を汚し、吹き出物など肌にトラブルを起こしたり、大腸ガンなどの様々な病気や老化を引き起こす原因になります。だからといって、便秘薬を連用していると、体内のカリウムイオンがなくなってきます。カリウムイオンの喪失は、体内の筋力を低下させますので、腹筋などの排便に必要な筋力の低下とともに大腸自体を動かす筋力も低下して、ますます便秘がひどくなります。薬を連用している方は、徐々に減らすようにしましょう。
-大腸癌の抑制
食品の中に含まれている発ガン物質、または腸内細菌の作用を受けてその結果生じた発ガン物質が、長時間腸粘膜と接触していると腸ガンを誘発させる原因になると考えられています。食物繊維を充分に取っていると、便の容積が大きくなるため発ガン物質が薄められ、そのうえ短時間で体外に排泄されるため、発ガン物質が腸の粘膜に悪さをすることも少なくなります。
-ダイオキシンを体外に排除
近年、問題となっていますダイオキシンは、環境ホルモンの一種で生物の体内でホルモン本来の働きを撹乱する化学物質です。この有害な科学物質を体外に排出するために食物繊維は大きな役割を果たします。食物繊維は、ダイオキシンを吸着し、便とともに体外に排出します。このような有害物質を清掃することを毒物阻止効果と呼びます。特に水溶性食物繊維はその効果が高いといわれています。
-動脈硬化を防止
血中コレステロール濃度が上昇すると、動脈硬化や虚血性心疾患を誘発します。食物繊維はコレステロールの吸収を阻害して体外に排泄するので、血液中のコレステロール濃度の上昇がおさえられます。また、食物繊維は胆汁の中に含まれている胆汁酸を便といっしょに排泄させます。この胆汁酸は肝臓でコレステロールを分解してつくられるため、食物繊維を多く取ると肝臓でのコレステロールの分解が進み、血液中のコレステロールも減少します。
-善玉菌を増殖
食物繊維が腸内細菌によって分解されると、酪酸や乳酸などの有機酸が排出されます。これが大腸内の酸性度を高め、酸に弱い腐敗菌の増殖を抑制し、ビフィズス菌などの善玉菌が増える手助けをします。悪玉菌である腐敗菌のウエルシュ菌は加齢とともに増加しますが、これらは体に悪影響を与え、さらに老化を促進します。
-糖尿病を抑制
食物繊維は糖質の吸収を遅らせて食後の血糖値の上昇をおさえます。これはインシュリンの分泌を節約することにもなり、糖尿病の予防にも役立ちます。
-肥満防止
食物繊維はノンカロリーの上、糖質や中性脂肪など肥満の原因になる栄養素の吸収を妨げます。また、食物繊維を多く含む食べ物は一般に硬めで、よくかまなくてはならないため、満腹感も得やすく、食べ過ぎを防ぎます。
-高血圧を抑制
食物繊維は腸の中でナトリウムと結合して、その吸収を妨げるので、食塩の取りすぎによる高血圧を予防します。